キャットストリート(ドラマ版)にみる女性ひきこもりの社会再参入の可能性

 そんな考察はない。
 いやさ、どちらかというとネガティブな意味合いで世論に影響を与えそうと思って注目してみたんだけども、ひきこもり・ドロップアウト女子問題以前の部分で引っかかってしまったわ。車に乗せられて意に添わないところに連れて行かれるのは立派な拉致監禁なのに警察行かない主人公。小学校中学年で引き篭もったために社会常識が欠落しているという設定を踏まえても、周りの人は事情を聞き出したら通報しようよ!! 犯罪だようッ!! 撮影に遅れてどうこうとかそんな問題じゃない。どうなの。
 まあ、警察の事情聴取がスケジュールに響いて悩むとかいった大人の都合を描いても若い読者はついてこれないのかもしれないが、それを差し引いても全体的に少女漫画的マンネリズムが過ぎる。ダンサー・イン・ザ・ダークのような、あるいはヘドロ女規範意識のような、何も悪いことをしていないのに自力脱出不能なトラブルに見舞われてる主人公の私☆というシチュエーションを作るために極度のアホにされてしまったヒロインだと思った。その辺をさらに差し引いても、ほぼ外出する度にチンピラやナンパにヒロインが絡まれるのはいかがなものか。原作は全8巻だから、これはおそらくドラマ用に尺を切り詰めたために起こった悲劇であろう。しかも大体同世代の男だし。若い女の癖にもさい格好で暗い顔して一人歩きしてやがるぜゲヘヘーみたいな侮蔑のノリ全開ならまあしょうがないかなあと思ったが、そんな気配は極めて微細なので戸惑ってしまった。気付いた当初は世のブサイク不適応者をどんだけ無気力と思ったものの、どちらかというと笑いを誘うパターンではないか。意図せずして自分に自信の無い引き篭もりを笑うドラマに…!!