眠気を我慢しながら授業を受けるとノートに書いた覚えもない謎の文言が残っていたりするけど、しょっちゅうそんな様子だった。カフェインに頼るにも予算に限度があるし、歯にコーヒー色が付くし、恐らくグリコーゲンが使い果たされたために謎の震えが出てくる。しょうがないので貴重な昼休憩や、授業のない空き時間に仮眠をとろうとしたことがある。
何故図書館か
人の目が多いと寛げず、かといって少なすぎると防犯的に不安。学校の事務室近くが空調も効いてて最適だったけど、いかんせん椅子が布張りなので顔に痕が付いてしまう。なので学校の図書館だった。机に伏せていれば、居眠りしているのと区別が付かない。でも前に体重が掛かってると寝屁でも出そうで落ち着かないし、横になれないとやっぱり体力的にきつい。ビデオ視聴用のソファが最適だけど、大概何を見てるわけでもないカップルや、ただ本を読んでるだけの利用者に占拠されていた。
近くに公園はない。少し足を伸ばせば(殆ど家に帰るのと同じことになるが)あるが、横になれるタイプの椅子はない。こんな郊外で、交通量の多い道の近くで本格的に野宿するホームレスなんていないと思うよ!! おかげで靴紐が解けたり荷物が不安定になったりしても、ちょっと腰をおろす場所すらない。当然荷物はいきなり地面に直置き。高校生が床に座って不衛生なんて議論してる場合じゃないと思う。そして、場所もさることながら金銭的事情のおかげで、ちょっと腰を下ろしたい時もベンチ的なものがないと非常に困る。そんな様子なので、以前ホッテントリで見かけたホームレス体験記事に、とりわけ引用部に非常に共感を覚えたのだった。
特に愕然としたのが
ホームレスになってみよう。: 不謹慎な箱男
「ホームレスの生活空間は非常に狭い。」
ということ。
街に立つ全てのビルは
貨幣を持った人たちにのみ意味有る施設
だ。
コンビニも本屋も何もかも。
貨幣を持たないホームレスにとって
全てのビルは巨大な岩の塊となんら変わらない。
全てのビルが僕の中で意味を失い、岩の塊になる。
ホームレスの生活空間はバカ高いビルの狭間にある道路だけ。
女性の図書館利用者だけど臭いよ!! 正確にはホームレスじゃないけど臭いよ!!
ついでに金だけじゃなく、自分自身が商業設備に入るための壁となっている。見た目や服装、非コミュっぷりもさることながら臭い。家に帰って寝たら色々間に合わないので、もちろんシャワーを浴びたり服を取り替えたりしに戻る訳にもいかない。臭くなるのにホームレスやワキガだなんて大袈裟な、真夏に荷物を担いで30分屋外を歩くだけで充分ですよ。ストレスで免疫が云々なのか普通に生活してるだけで同じ物を食ってる家族よりトイレの後が臭いと評判だけど、どうも体臭も同世代の女性より臭い気がする。今も顔の乾燥対策手入れのために風呂上り纏める→寝るので解くでシャンプーしてても髪から雑巾臭がする。仮にストレス云々が気のせいだったとしても、やっぱり汗をかいて歩くので臭い。
そう言うとみんな同じ学校に通ってるんだからお前だけワキガでもないのに極端に臭い訳ないじゃんと思うかもしれないが、そもそも交通手段も荷物の量も道程の遠さも違う。みんな車。みんな冷暖房完備前提のカジュアル。みんな手ぶら。せめて着替えを持って歩くことを考えてもみたが、臭くなった衣服を取り替えるにしろ冷暖房にあわせるにしろ、それじゃあ正真正銘のbag ladyになってしまう。つか重い。
そんなこんなで臭いから商業施設には入れない、で学校の図書館に入る。世間では臭いから図書館来るなって話になってるけど、何故かこちらはそういう結論になった。まあ、図書館に入り浸ってる他の面子も課題丸コピペの相談してる奴やらいちゃついてるカップルばっかりだから、臭かろうが一応勉学を志向しているからいいんだい!! 臭さの程度でいえばスポーツやってる男子はもっと臭いよ!! と思っていた。今も思っている。まあ、結局前述の通り図書館は寝るのに向かないし、PCを触る必要のある作業が出来ないし、間食もとれない(飲食物持込禁止)のでそこまで快適な場所でもなかった。寒い売店の建物まで足を運ぶか、より座席争いが厳しい(そして、やはり飲食禁止で、さらに寝るのに適さない)PCルームに場所を移す必要があった。そして、ここまでしても結局特に残るものはなかったのだった。個人の経験をそのまんま思い出すままに述べただけなので、特にオチも思想もないし、系統立ったサバイバル戦略もない。
参考
彼らは生活に困っているわけではない。帰ろうと思えば帰れる家があるし、その家は貧窮に喘いでいるわけではない。このような子どもたちは「ストリート・サヴァイバー」と呼ばれている。
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