人間社会における犬の生存可能性問題を善意の濃度的批評にすり替えないで><

そして数ヶ月後。奇妙な現象が起こり始めた。全国各地の公園などに痩せ衰えた犬が次々と放置され始めたのだ。「助けたい人がいたらご自由に。」と書かれた言葉と共に。引き受けたはいいものの、流行と偽善の気持ちから挙手した人が殆どで、数ヶ月もする頃には飼うことが嫌になっていた。どうしたものかと考えつく先は皆同じで、それが芸術家と同じような手段だった。直接捨てたり保健所に連れて行くよりも心が痛まない。悪いのは助けることができたのに、助けることなく見ていたやつだと。かくして「犬の餓死」は完成した。多くの人の手によって。

犬の餓死

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 あの忌まわしいドッグぱーく事件(まとめサイト)をお忘れでしょうか? 園の閉鎖後もスタッフが留まったのに犬が大勢死んだのは、スタッフが流行と偽善の気持ちに囚われていたからですか? 結論から言うと違います。事業が破綻して予算がなくなり、必然的に餌代も医療費もなくなったからです。*1
 他の事業者の元で働いて得たお金を元スタッフが持ち寄ったとして、依然として状況は厳しいままです。今までは犬の世話で金を貰っていたのに、今度は

  • 無給の犬の世話
  • 自分の生活費の為の労働
  • 犬の生活費の為の労働

で限られた時間を分割せねばなりません。いくら善意があろうがお金がなければ犬は死に、少人数で大量の犬を世話するには限度があるのです。寄付を集めても同様です。むしろ期待値が定かでない分、見通しは悪化するのではないでしょうか。
 冒頭に引用した文で偽善という語がどのような心がまえを指すべく用いられているのかは分かりませんが、計画性なく犬を引き取る考えの甘さを示しているのだとしたらどうでしょうか。仮にそうならば、彼らが犬を持て余すであろうことを見越して自らを犬の為のセーフティネットとしなかった周囲の人間もまた偽善性を批判されるべきでしょう。あるいは、野犬の存在を許容しないにも関わらず、飼い犬のドロップアウト(しかもそれは犬自身の責任ではない!)を見越した仕組みを何ら持たない社会こそが真に批判すべき対象であるのかもしれません。

と、いうわけで

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 餌って結構高い(参考商品: ヒルズのサイエンス・ダイエット シニア 高齢犬用 4kg)し、あったかマットをバリバリにするから買わないでおいたら歯をカチカチ言わしながらヒーン鳴いて可愛い顔してアピールしてくるし(参考商品: asin:B000YI7CUY:title)、人間様も寒いと散歩する気力が起きないし(参考商品: asin:B000XSDNYO:title)、腹減ったら散歩にいけないし(参考商品: rakuten:shouangyoza:1424953:title)、色々生活に犬以外の潤いがなくてやる気なかったら散歩にいけないし(参考商品: 電脳コイル 第6巻 限定版 [DVD])、ウンコ入れが重くて腕の筋肉が死んだら散歩に行けないし(参考商品: ザバス(SAVAS) アクア ホエイプロテイン100 800g)、今はいいけど夏は日焼け止めがないと散歩に行けないし(参考商品: キスミー サンキラー ホワイトニングウォーター 30ml)で、犬を買うのには沢山のお金が必要なんですよ!! チガウヨーアタラシイPCカウノニツカオウトシテナイヨー(棒

*1:新たに事業を始める予定があったとかいう報道を聞いたような(うろ覚え)気もするし、寄付金を騙し取るのが目的という見方もできなくはないですが、まあその辺はめんどくさいので省略。