被害者の呪いは存在するか

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 いやいやいやいや

以前、精神科医春日武彦先生から統合失調症の前駆症状は「こだわり・プライド・被害者意識」と教えていただいたことがある。

被害者の呪い - 内田樹の研究室

 マジレスすると、ブロイラーの発見以来もうじき100年、誰もが探し続けて未だこれというものが見つかってない。よいこのみんなは鵜呑みにしておいしゃさんに迷惑かけちゃだめだよ!! いや、自分はもう狂っているオワタ的な気持ちに強く囚われたら、それは多分別の病気の症状(前駆ではない)なので病院に行ってもよい。
 春日氏のポジション的(ロマンティックな狂気は存在するか (新潮OH!文庫))に、これは狂気はロマンチックであって病気じゃないとか怒鳴り込んでくる人を揶揄した表現なんだろうなあと勝手に行間を読んで思った。しかしまあ、妄想もちであることは主張が真でないことを保証しないことを考えると味わい深くもある。対偶をとると、主張の正しさは正気を保証しない。
 こころの辞典ではアルコール中毒の嫉妬妄想が例に挙げられていたが、被害者面をする正気でない人の典型例とも言える中高年の妄想なんかも興味深いというか、なんというか悲惨だ。好訴癖で近所と対立したり家族に被害妄想をぶつけてみたりして、「周囲の人間にあの基地外ジジイは早く死ねばいいと思われて、悪いうわさをどんどんばら撒かれて誰も話を聞かない」という訴えだけは確実に事実と一致してしまう。どちらも改善しにくいとされているけど、仮にすっぱり寛解したとしてどうか? 電波で操ったり北朝鮮に拉致したりこそはしないけど、やっぱり法で裁かれないやり方で色々な力を取り上げて、機会さえあれば何とか始末をつけようと思われちゃったりなんかしちゃったりするんじゃないかしら。妄想フォーエバー現実。