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 ので、原発性強迫性動作緩慢の話でもしますね。丁度昨日来た本を読んだ(とりあえず該当部分と前書きだけ。残りも暇な時に読みますヨ)し。酒飲んじゃったけど、主に目に付いた点まとめだけならかまんだろう。


 ここで報告する症例は、強迫性障害を発症して十六年目の三二歳の時の、一九八二年一月から一九八三年四月まで入院治療を行い、その後、現在までの十四年間、経過を追うことができた女性である。

  • 強迫行為は強いが強迫観念はほとんどない
  • 強迫観念は希薄で、全体に呆然としていた
  • 暴露反応法は適用しづらく効果も出ない。薬もさっぱり効かない*1
  • 小さい頃から綺麗好きかつ強迫性人格障害的、それに加えて優柔不断でノロい子気味
  • 抜毛癖は風呂上りに縮れ毛を気にしていて始まったらしい
  • 病死した兄の友人と結婚したものの、簡単な家事とごく簡単なみだしなみをするのが精一杯であり、半年も経たないうちにそれすらも独力ではできなくなった
  • ほとんどあらゆる動作が緩慢で、全体としてぼんやりした印象を与える
  • 一度始めた動作を激しく繰り返してしまう。特に清潔行為。例えば看護婦に促されてようやく風呂に入ると力を込めて一箇所を繰り返し洗いつづけ、なかなか次に移れない。一旦移っても前に戻ることもしばしば。動作は次第に激しくなり、しまいには全身をゆするようになる。不潔恐怖も一応あるが、洗い方に見合うほどのものではない
  • 持ち物の整理ができず、使用済みの楊枝やちり紙まで保存する。床頭台の上を片づけるように指示すると、ゆっくりと一つのものをとりあげてそれをあちこち扱っているが元に戻し、また他の品をゆっくりもちあげて……を繰り返していつまでも同じ状況にいた。また、外出の支度も似たような調子でえらく時間がかかる
  • 抜毛はカウンセラーの提案で切毛に変わったものの、筆者が目をつけた時点で常時坊主頭(もちろん自分で切っている)である、一旦切り出すと鋏を取り上げるまで切っているなど、相変わらずやりすぎである。「気分が悪いときに髪の毛が気になりやすく、切るが、切るとさらに気分がめいる」

 タイトルのない引用は全て同節より。治療の様子については後ほど。飯食ってきますヨ。

*1:経過の最中で己の置かれた状況や病気に絶望して鬱っぽい状態になることが度々あったが、その場合も抗鬱剤は殆ど効かなかったそうな